世界最高性能の加速器を支えるニチコンの特機技術〜世界TOPレベルの高電圧・大電流・パルス制御技術〜
当社は電力用高圧進相コンデンサや各種電子機器用コンデンサの開発・製造で培った技術を駆使して、30年近くにわたり加速器 (シンクトロン) 関連用の高性能電源を開発してきました。これは当社が誇る特機技術の一面でありますが、大学や研究機関に多数の納入実績を持ち、わが国の物理学の発展に少なからぬ貢献をしてきました。

当社が関ってきた最近の加速器実験施設についてご紹介します。

Bファクトリー加速器実験施設 (文部科学省高エネルギー加速器研究機構)
最近、新しい物理現象の新聞発表等で話題のBファクトリー加速器実験施設(茨城県つくば市)には数百台の当社の高性能電源が使用されています。
Bファクトリー加速器に先立つトリスタン計画においても、2MWのクライストロン用電源の高電圧部をはじめマグネット用電源を多数台納入しており、トリスタンからBファクトリーへの改造時には、新開発のマグネット用高精度電源、パルス電源等を合わせて約400台ご採用いただきました。
Bファクトリー加速器は、電子と陽電子を光の速度近くまで加速し衝突させることで、宇宙が物質だけで出来ている謎(反物質が宇宙に存在しない理由)を解明することを目的としています。
この実験では、衝突回数(ルミノシティと呼ばれ、電子と陽電子の単位時間あたり単位断面積での衝突確率を表す)を上げられるかが重要であり、決められた値に対して1/10万の精度で数年間の長期安定出力をもたらすことがその確率を高めます。
当社は長年蓄積してきた経験と最新の技術力を駆使して、これらの厳しい要件を満足する電源を開発納入してきましたが、これまで約4年間高い稼動率と安定した性能で実験結果の蓄積をもたらし、ルミノシティでも最高レベルを成就したことから、このBファクトリー加速器が世界一の性能を示し、少なからぬ貢献をしています。
昨年12月、本加速器が性能、蓄積実験データ量ともに世界最高性能記録を達成したことを記念して式典が催されました。実験施設の建設に協力した企業150社の中から特に貢献度の大きかった8社に高エネルギー加速器研究機構から感謝状が贈呈され、当社も受賞の栄誉に浴することができました。



右の写真は、加速器のビーム軌道を安定に保つための偏向用、収束用等のマグネット電源で、370台(総出力容量:7MW)納入しました。
この種の電源で世界で初めてスイッチング方式を採用しており、体積が従来比1/2、電源効率が20%アップ、安定度が1/10万の高精度と、小形、高効率、高精度の3拍子を誇っています。
   

大強度陽子加速器 (文部科学省高エネルギー加速器研究機構・日本原子力研究所)
文部科学省高エネルギー加速器研究機構と日本原子力研究所が世界最高パワーの大強度加速器計画(J-PARC)の一環として構想を進めてきたもので、現在東海村の日本原子力研究所東海研究所内に建設中です。陽子加速器として世界最高の性能を目標としています。従来の施設より2桁近く高いパワー(1MW)を目指しており、匹敵するものは世界になく、第1期の完成予定時期は2007年とされています。
大強度陽子加速器の主なハイライトは次のとおりです。

中性子を用いた生物細胞中の水素原子や軽い元素の挙動解明
長年の物理学の大きな課題であったニュートリノの質量存在の有無(日本の高エネルギー加速器研究機構とスーパーカミオカンデの共同実験で質量があることの確率が高くなっている)について、データ蓄積による証明実験
核変換技術研究(長寿命の放射性核種に強力な中性子を照射して、短寿命の核種に核変換することで、高レベル放射性廃棄物の隔離期間を短縮する技術の研究)

下図は大強度陽子加速器施設の配置図です。
本加速器は世界最大規模のビーム出力を誇ります。

 
  (クリックすると画像が拡大します。)  
本図は、日本原子力研究所殿のご厚意で提供いただきました


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